登校拒否
朝、8時にゴミ出しに出た。
不燃ゴミが何袋かあったので、ゴミ置き場まで2往復した。
家の前の道路は通学路で7時半頃に子供達が歩いていく。
ランドセルの男の子が一人でゆっくり歩いている。班に遅れてしまったらしい。
だが、急いでいる様子がない。
ふと見ると、その後ろを何メートルか離れて軽自動車が停車と前進を繰り返して着いている。
おそらくその子の母親だろう、若い女性が運転している。
学校に行きたくないと言ったのだろうか。
ただ、班に遅れただけではないと容易に想像できた。今日だけではないのだろう。
学校まではまだ1km以上もある。
あと50mもすると大通りに出てしまい、車で着いていくのは難しい。反対車線にもなる。
私は気付かないフリをして家に入った。
母親の気持ちを考えると涙が出た。
どんなにか、辛いだろう。
歩かない子供を自分の足で歩かせる事のなんという難しさ、なんという辛さ。
怒ったのだろう。泣いたのだろう。
絶望しただろう。なんでうちの子だけ、と思う。普通でいいから、と思う。
学校へ行かなくてもいい、と言うのは難しい。
学校だけが世界ではないとわかっているが、いざ自分の子供となると、その年齢の社会に適応して欲しいと思う。
学校という社会に適応できなければ、いずれ社会に出た時も周りとうまくやっていけないのでは、と思ってしまう。
私の息子はそうだった。
私はそれが原因でパニック障害になり、未だに電話の音が怖い。
どうか、あの男の子とお母さんがこの先幸せになれますように。