老害夫と犬と私

毎日、今日が最後の日と思って楽しく暮らしたいので邪魔しないでほしい

シニアファッションとは

齢60をだいぶ過ぎた。

この年齢の女性は何を着たら良いのだろうといつも悩む。

上質な上品な清楚でいて華やかな?

小花柄ですか?おばあさん達が着てるヤツ。

 

年をとると、何故どんどん重ねて着るのだろう?笑

寒いからかもしれない。

血液の巡りが悪くなり、手足が冷え、自ら熱を作り出すのが困難になってくるから。

小花柄のタートルネックに何故か、ベストを着る。

私も首の皺が気になるから隠したい気持ちはわかる。 

お腹周りも隠したいし、垂れ下がったバストもヒップも隠したい。

隠したいとこだらけである。

 

ジーンズではなく、ズボン。

適度に緩みがある。キツいのは辛いからね。

スカートなら膝よりちょっと下、Aライン。

ロングは絡まるから危ない。歩きやすく、安全を求めるとその形になる。

そして、脇にファスナーのあるウォーキングシューズ。だいたい茶色。

 

結局、実用性を重視すると、みんな同じような格好になってしまうのだ。

だが、中にはすごく個性的なファッションを楽しんでいるシニアがいる。

色使いが派手で、楽しそうに見える。

私は、今はまだその領域ではない。逆に年齢が足りないと思う。

もっと、完全におばあさんにならないと。

 

魔法使いみたいなシニアを目指している。

ちょっとおかしな人がいい。

だって、自分を生きてる感じがするから。

 

 

 

 

 

一人と一人で暮らす

私は夫と同居している。

社会的に言えば婚姻関係にあたるらしい。

面倒なことを省いて残りの時間を送りたいので、お互いに今の状態を享受している。

 

定年し、再雇用の夫も土日は休み。

だが、この土日は彼の休みであって、私には無関係。昼間、家の中をウロウロされるのは嫌だが、幸いにも自室にいる事が多い。

毎朝の犬の世話だけが、彼の家の仕事である。

休みでもそれが終われば、ほかにやる事はない。自室にこもる。

 

私はいつも通りの家事をやる。

洗濯、掃除、買い物、畑仕事、無人販売の野菜採り、その間に手芸、映画など。

夫の部屋は玄関脇なので、私がバタバタと行ったり来たりしているのを、聞いているのかいないのか。

 

お昼近くなると、夫は黙って出かける。

2時頃帰ってきて部屋にこもる。

私は昨日の残飯整理で昼食を済ませ、夕飯の準備を済ませておく。

 

洗濯物を取込み、犬の散歩や世話も終えた頃、夫は部屋から出てきて、あれ?散歩行ったの?と聞く。うん、と答える。

お前の部屋の前を犬が通ってたよな!と思う。

 

風呂の支度をし、夕飯をあらかた作り、日が沈む頃に私はウォーキングに出かける。

天気が良い日は富士山のシルエットが見えて、今日も一日元気で過ごさせてくれてありがとう😊と思う。

 

6時頃に夫は風呂に入り、酒を飲み始める。

テーブルに食事を並べ、私は先に食べ、手芸の続きを始める。

テレビの嬌声に独り言を言う夫。

私は話さない。TVも夫も面白くないから。

早く、食べ終わってここからいなくなってほしい。それだけ。

 

酒を飲むと一人でベラベラうるさい。

犬をかまったり、TVに突っ込みを入れたり。

私はどんどん白けていき、しまいには露骨にイヤな顔になる。

 

夫の一人舞台が終わり、お先にと部屋に引き上げる。やっと本日の苦行終了、と思う。

この食事の2時間程が苦痛でたまらない。

くだらない事を喋り続ける夫、聞こえないふりして(目の前にいるのに)黙ってる私、全身で拒絶を表しているのに、なかなか引き上げてくれない。

 

とはいえ、私は一人で幸せに暮らしている。

犬達は可愛いし、youtubeNETFLIXも面白い。

畑の野菜は新鮮で美味しい。

夫も優秀な家政婦がいて幸せだろう。

 

 

 

 

 

 

徒然草

毎週土曜日に古典文学の講義を受けている。

もう、7年ほど。

徒然草平家物語更級日記方丈記伊勢物語竹取物語奥の細道などなど。

 

今は徒然草である。

1年かけて読み解いていく。

兼好法師のエッセイ集なのだが、現代にも大変通じるところがあって面白いし、ありきたりの事しか書いてない自己啓発本よりも、よっぽど考えさせられる。

 

原因と結果の間には「縁」があるというのが、仏教での考え方である。

同じ「因」があったからといって、必ずしも同じ「果」に行き着く訳ではない。

私達は、それを「縁があった」「縁が無かった」と紐づけで納得する。

今日の授業はそんな内容だった。

調子に乗って壺を被ったら抜けなくなった法師の話。入ったのだから、抜けるのは当たり前?

人生って、なかなかそうでもない。

てか、そんなことばっかりだ。

思い通り、予想通りにいかない。

でも、そのリスクを恐れると、人は行動しなくなるのだ。

 

今も昔も、品性のある無しや知恵のある無しは変わらない。

そして、繰り返し自分に言い聞かせないと、人はどんどん忘れてしまうのだ。

特に、歳を重ねると。

 

自分の剣を置く

RPGの中にはジョブチェンジできるシステムがあったりする。

戦士として生きるのか、魔法使いなのか、盗賊、商人、踊り子、最終目標は勇者や魔法戦士、あるいは賢者。

子供の頃(厨二病まで)は、誰もが世界を変えられると思っているし、ケーキ屋でもパン屋でも「世界的に名の知れた」という但書が付くと思っている。

実は自分は、大したことがなくて、大して稼ぐ事もできず、芸能人と結婚できる訳でもなく、スーパーで割引のシールが貼られるのを待って刺身を買う人生だと理解するのに、そこから10年はかかる。

 

ジョブチェンジをすれば、或いは自分の目指す世界の大きさを変えれば、そこそこ幸せに暮らしていけることに、なかなか気づかない。

 

壁にギターがかかっている。

正確には、私がギターを壁に掛けた。

あれは、私の剣だった。

 

ギターの講師をし、バンドをやってきた。

あの剣で戦ってきたのだ。

今は、ジョブチェンジをして、あの剣はもう使わない。この先ももう使う事は無い。

それでも、捨てる事ができない。

いつまでも、あの剣を携えた自分でいた事をアピールし続けたいのだろう。

誰に?  多分、自分に。

別のジョブに転換した後も、戦えた自分を思い出して頑張り続けるために。

 

定年退職した後もジョブチェンジができない人が多い。

もう効力を持たない地位や肩書きの剣を、いつまでも両手に持ったまま、他の剣を持とうとしない。

家庭の中において、有効なジョブは穏やかな夫や物わかりの良い父であり、君臨するスキルや統率力は要らない。むしろ、邪魔。

 

ジョブチェンジできないまま、今いる世界で無能な邪魔者として一生終えるのか?

あなたの剣ではもう戦えない。

手放さないと違う剣は持てない。

 

今持っている剣を置こう。

新しい世界で生きるために、勇気をもって。

 

 

クロスステッチ

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手芸が好きなので、様々な手芸をやるのだが、今のマイブームはクロスステッチ

先日、マスクに関わる物を片付けて、ミシンもカバーをかけた。

今は散らからない物が良いと思っているので、布と糸だけでコンパクトにまとめておけるクロスステッチは良い。

 

昨日、1ヶ月くらいかかったTEATIMEというのを完成させた。

これは、クロスのサイズが14ctと小さく、糸も2本どりという細かい作業だった。

最後の黒ステッチが思ったより大変で、この縁取りだけで3日かかった。

 

昔は図案を見ながら自分で目の数を数えたが、今は印刷がされているので、本当に楽。

同じ色のマスをただ埋めていけばいい。

NETFLIXやHuluで海外ドラマを観ながら、手だけを動かしていれば、いつかは出来上がる。

 

ジグソーパズルも大好きなのだが、広げておかなければならないのが大変。

ダイヤモンドペイントも随分やったが、やはり布の方がいいかな。

 

でも、クロスステッチに飽きたら、きっとまた違う事をやるのだろう。

 

今日はゼンタングルも描いてみた。

この話はまた今度。

 

 

 

「見えない」と言う人

老化によって、老眼になり、近くが見えにくい人が多い。

スマホで情報をとったり、連絡手段として使用する事が多い昨今、「見えないのよー」と言う言葉をよく聞くようになった。

インターネットの普及以前、人々の連絡手段は電話が主であり、続いてハガキや手紙といった通信文化があった。

すなわち、その場で文字を読むような事は必要なかったのである。

 

私は情報源がスマホなので、朝のニュースチェックから天気予報までスマホで済ませる。

元々、ど近眼で眼鏡が無ければ階段も見えないし、料理もできない。そこに老眼が加わり面倒臭いことになっているが、中近両用眼鏡で何ら困る事はない。

眼鏡の度合わせは、スマホが見えて、本が読めて、料理ができること。

夜間の運転時のみ、メガネを掛け替えている。

 

周りのシニア達もみなスマホを持っているが、使っていない。何故なら「見えない」と言うのだ。

見えないなら見えるようにすればいいのに、自分が使いたい時だけ取り出す。

こちらからの連絡には基本対応しない。

もちろん、情報機器ではなく電話機と化している。

なんとも勿体ない話である。

せっかくこの時代に間に合ったのに。

 

使わないなら、LINE繋げてって言うな。

繋がっている以上、連絡はLINEだ。

見てない、とか知らんわ。

そう言うのを聞くと、年寄りっぽいと思うのだよ。

自分に合うメガネをかけるとか、表示設定を変えるとか、持ってるなら使えるようにしなよ。

教えて、って来たって、見えないんじゃ話にならんよ。

目玉に水疱が!

昨夜、目がゴロゴロしていた。

ゴミが入ったのか、まつげでも入ったのかと思ったら、白目の所に水疱ができていた。

なんじゃ、これは!と驚いて、潰そうかと思ったが、失明すると困るのでそのままそっと寝た。

朝になって、消えてればいいと鏡を見たら、普通に目を開いている状態でも見えるくらい膨らんでいた。

これは、病院に行かないとまずい。

眼科の予約を取り、午前中に近くの眼科へ。

 

駐車場は空いているのに、待合室はいっぱい。

しかも、年寄りが多い。

眼科というのは、結膜炎とかものもらいとかで行くのかと思っていたのだが、今は白内障とかの治療が主たるものなのね。

皆さん、手術の予約とかをしてる。

寿命が長くなると、あちこちを治しながら、生きながらえていくんだね。

私もそのうち、お世話になることだろう。

 

とりあえず、今日は目玉にできた水疱である。

診察して、中の水を抜いてもらった。麻酔を点眼し、あっという間に終わったが、再発するかもしれないということである。

今は、白目の部分が真っ赤になっているが、痛みも違和感もない。

周りの人が見たら嫌だろうな、という感じ。

 

今まで起きたことのない身体の異常が起きる。

原因不明の不具合を老化と呼ぶ。

 

そうやって、私達は死に向かって準備をしていくのだな。